首都高グループの一員として、トンネル換気・路面排水・料金所機械などの機械設備、およびパーキングエリアなどの建築物の維持管理を通じ、様々な課題、ニーズに対し技術の開発・改良に取り組むことでより一層の精度向上、効率化をはかってきました。最近では、各設備沿道住民の方への騒音対策、環境配慮との視点も重視しつつ、点検機器、点検車両をはじめとした新たな開発・技術の推進に取り組んでいます。
高性能バッテリーや防音型発電機で点灯させる標識車などの場合、バッテリー放電や装置・システムにおいて、誤操作や故障による障害が発生した際、散光灯や表示が消えてしまいます。「環境配慮型多電源システム」は、車両バッテリーモード、散光用バッテリーモード、発電機モードという3つの電源を確保。「フェールセーフ機能」と「操作の簡素化」に特化したシステムを開発しました。(実用新案特許申請中)
散光装置の電源は、車両荷台部に搭載されたバッテリーの電源装置に蓄えられた電力で点灯します。バッテリー容量が約0%になった場合、ディーゼル発電機が自動起動し、標識装置への電源供給ろ散光用バッテリーへの充電を行い、充電容量が約80%に達すると散光用バッテリーからの電源供給に自動的に切り替わります。
操作は運転室のコントロールパネルで「散光装置と回転灯」の電源を入れ、散光灯が点灯している状態で車両エンジンをOFFにするのみで、最適な電源を自動的に選択し電源供給がスタートします。
散光用バッテリーへの充電は、一般商用電源(AC100V 15A)も使用可能です。車両燃料の消費を抑えることで運用コストの削減や環境負荷を低減できます。
環境配慮型多電源標識車
環境配慮型多電源標識車
水噴霧設備の点検を効率的に行うため、水噴霧ヘッドからの放水を受けるバケットを現状に合うよう改良しました。このバケットは上下左右前後に動くため、どのような水噴霧ヘッドに対しても的確に合わせることができます。これによって全面通行止めを行わずに点検作業を安全に効率的に進めることができます。
水噴霧バケットが使用できない水噴霧ヘッドを取り外して、専用の試験用ホースを配管とヘッドの間に装着。水噴霧点検車の集水タンクまで移動させて放水試験を実施する方式です。
水噴霧ヘッドの遠投ノズル、近投ノズルの先に町野式金具を取付け、継手付のホースを装着。水が出る位置を水噴霧点検車の集水タンクまで移動させて放水試験を実施する方式です。
軸重調整装置付試験車(特許番号:第2869648号)は、低速から高速までのあらゆる走行状態での計測が可能なためETCレーンでも精度確認や、一般道路における重量計測、橋梁での構造調査などでも作業の効率化が実現できます。
独自の技術を活かした規制予告看板の作成やPHV車導入など建築物の維持管理を通じてえたノウハウを基に新技術の採用や開発を行っています。
首都高速道路は50年を経年した路線もあり、交通量も多く損傷劣化は多種多様です。このため、従来工法にとらわれず積極的に新技術の採用や開発に取り組んでいます。また、社員一人ひとりの技術力アップを図るため、各種資格試験の受験や、各種の講習会への参加を積極的に支援し、技術力向上を図っています。